畳のうえで死にたい ~警察の介入
昔おじいちゃんやおばあちゃんはよく言いました。畳のうえで死にたい、と。
得てしてそんなお年寄りは、「わしの体はわしが一番よく知っとる!」 と、病院にもかからずに元気に
過ごしていることが多かったりするわけで^^;
で、いつもの時間に起きてこないおじいちゃんを起こしに行ったら、布団の中で亡くなってた・・・・・
以外によくある話です。 まあ、本人の希望通り家の畳のうえで死ねたわけですからね、家族は 「悲しいけど、大往生だね」 なんて^^。
ところがこれ、実際は大変なんです。 まず、病院じゃないから死因が特定できない。
そこで、自宅で死亡した場合は、警察が介入します。担当は刑事課です。
警察は、(昨日まで元気だった人が急に死ぬはずがない)という観点から調べ始めます。
亡くなった状況を家族から聞き取り、通院歴や処方されてた薬の有無なんかを細かく・・・。
通院歴が明らかなら比較的簡単ですが、それでも首の後ろから組織を採取して生活反応を検査したり、ご遺体を警察に移して、そこで監察医務院の検死を受けたり(東京の場合。)・・・
つまり、警察はその、家族にははっきりは言いませんが、なんと言うか・・・事件性があるか無いかだけをはっきりさせたいのですね。まあ、警察という立場上、当たり前ではあるんですが。
≪事件性なし≫と判断されると、病院でいうところの死亡診断書が出ます。検死をするとそれが 『死体検案書』 というカタい名前に変わります。 署名は検死した監察医の先生ですね。
で、死因の欄を見ると、たいてい 【心不全】 【急性虚血性心不全】 なあんて書いてあります。
これは平ったく言うと、(事件性はなし。死因はよくわからん。) というような意味合いです。
どういうことか。先にも書いた通り、警察は事件性の有無しか見ません。で、検死の結果事件性は無し。(詳しい死因を知りたい場合は監察医務院に申し込んで調べてもらってね、数ヶ月かかるけど。)という話なんです。 最終的に心臓が止まったということで心不全。つまり、なぜ心臓が止まるに至ったかは問題ではないのですね。
ご遺体は検死が済んではじめてご家族の元にお帰りいただけます。 連絡を受けた葬儀社が棺をもってお迎えに行くわけです。 警察の霊安室で引き渡されますが、たいてい素っ裸の状態です。検死で衣服は全て取られますから。 なので葬儀社は前もって浴衣を用意してお持ちします。
ちなみに警察の霊安室、テレビドラマにもよく登場しますね^^。 ベッドがあって枕もとにロウソクが灯されていて、ご遺体には白いシーツが顔まで・・・。
ところが、実際は全くといっていいほど違います。どう違うかは問題があるのでここでは詳らかにいたしませんが、とにかく違います。
つまるところ ・・・・ お年寄りがおうちにいらっしゃる場合は、ちょっと体調がすぐれなかったらお医者さんに連れていってさしあげましょう、ということです
そしてきちんとお薬を処方してもらう。 お元気が何よりですから。