変わりゆく葬儀 ~増える一日葬
3年前にご葬儀を担当させていただいたお客様からお電話をいただいた。
ご家族のご不幸のお電話だった。
もとより葬儀社なんてものとは縁が無いほうがいいに決まってるのだが、それでもこうして2度、3度と
お声をかけていただけるということは大変ありがたく、葬儀社冥利に尽きるというものだ。
O斎場で通夜は行わず、葬儀/告別式だけを執り行う、所謂 『一日葬』 『ワンデー葬』 という形をご希望だった。
この 『一日葬』、最近増えてるように感じる。
メリットは、当たり前だが一日で済むこと。通夜振る舞いの飲食費や返礼品などの部分で葬儀費用を抑えられること。でも、何より簡単さ、手っ取り早さがいいのかもしれない。
大きな白木の祭壇から生花のデザイン祭壇に変わり、2日間のお葬式が一日葬や火葬だけで
済まされることが多くなってきている。 棺は木から布張り棺へ。 お宮の乗った霊柩車はもはや
街なかでほとんど見かけることはなくなった。
事ほど左様に、葬儀は変化を続けているのだ。
変わることの是非の問題ではない。
簡略化されるお葬式がいいか悪いかではない。
葬儀社に求められるのは、変わりゆくお葬式に対応できること。
お客様の故人に対する思いやご希望を形にできること。
それは今も昔も変わらないし、変わってはいけない部分だと、葬儀屋の親父は思う。
これ以上変わりようがないと思われるほど合理化、簡素化されてきた東京のお葬式だが、それでもなおこうして形を変えようとしている。
これからどのように変わっていくのだろう。